◆塩のオーロラ
ノーヴイ・マネーシュで《方角は北・方角は南》展を取材。このギャラリーは最近1年に1回のペースで,《方角》をテーマにした現代アート展を開いてきた。レオニード・チシコフは,塩を手でかきまぜて雪の結晶やオーロラ,雪嵐を連想させる模様を次から次へと自在に作りだし,その過程を映像作品として発表(写真)。新境地を開いた。
サハロフ博物館では《幻想への免疫》展を取材。ソ連時代を懐かしむ風潮に一石を投じる目的で,病院や共同住宅などソ連的な空間を再現した展覧会。タイトルから予想していたのとは違って,ソ連時代の貧困や恐怖を強調せず,郷愁を誘う品々を並べたおもちゃのような空間だった。「暴露したり教訓を与えるのではなく,ソ連という過去についてのステレオタイプを壊す」のを目的にしたとのこと。同博物館はモスクワの人権擁護団体の本拠地で,粛清の時代を中心にソ連の重い歴史を扱った常設展は,抑制されたトーンを守り,展示方法も洗練されている。ソ連史や文化に興味がある人なら一見の価値有。

*サハロフ記念博物館 Zemlyanoj val., 57, str.6 地下鉄チカーロフスカヤから徒歩10分。火-日 11:00-19:00 tel.923-4401, 923-4420


