◆禁じられた芸術
7月12日、モスクワの裁判所で、サハロフ博物館元館長ユーリ-・サモドゥーロフと、トレチャコフ美術館新芸術部門前部長アンドレイ・エロフェーエフに対する判決が言い渡された。かれらは2007年に、ロシア各地の美術館で展示を拒否された作品を中心に構成した美術展「禁じられた芸術2006」を開催したが、そのなかに、キリストの顔をミッキーマウスなどで置き換えた作品が含まれていたために、正教信者の団体に訴訟を起こされた。
ロシアでは、こうした理由で裁判になるケースが近年後を絶たない。今回も、二人とも「嫌悪と宗教的反目をかきたてた罪」を咎められて有罪(罰金刑)となった。展覧会に出展されていた作品が、宗教を侮辱する目的で制作されたのではなく、宗教の影響力や社会性を問うための作品であるという当然の反論が、現代のロシアでは通じなくなってきている。
イリヤ・カバコフ、エリク・ブラートフ、オスカル・ラビンら、ソ連時代に非公式芸術家として活動していた作家たちは、被告を支持する公開書簡を発表し、この裁判はソ連の検閲社会への退行だと述べた。来年はソ連崩壊20年。文化をめぐる状況は、今後どのように変わっていくのか。



