◆台湾版「大きなかぶ」
ロシア民話「大きなかぶ」は日本でも教科書や絵本などで広く受容されてきて、そこにはさまざまな歴史や物語がある。今回、他国での「大きなかぶ」の受容にも、興味深いケースがあることを知った。
元留学生だった台湾の友人が、先月来日し、台湾版の「大きなかぶ」の絵本を持ってきてくれた。台湾東部の花蓮の山岳を想起させるような挿絵の面白さもさることながら、ストーリーがオリジナルと大きく異なっている。
おじいさんがかぶを引っ張っても抜けないのは、地面の下でモグラがかぶを反対に引っ張っているからだという設定で、楽しい綱引きの場面が展開されていく。
おじいさんがおばあさんを呼んでくれば、モグラはヘビを呼んできて、おばあさんが孫娘を呼べば、ヘビはウサギを呼んでくる。こんな具合に双方大勢でかぶを引っ張り合い、最後にかぶは二つに裂けて、地上ではおじいさんたちがかぶのスープに舌鼓を打ち、地下では動物たちがかぶのパイを食べるという話。
絵本のテクストは中国語だが、付属のCDには中国語と英語の朗読が収められている。"Everyone, Pull"という題の英語版もある。出版元の和英文化(Heryin Books)は他にもユニークな児童書を出版している。

