◆クスコヴォ
3月3日、現代ロシア文化の仕事を進める。今年初めて沈丁花が咲いたのに気づいた夕方、近所の方が、裏の畑でもぎたてのブロッコリーを分けてくださり、春の自然の裾野に触れる。
BBC.Russianに記念碑についてのエッセーを書き、好きな記念碑について読者に尋ねたところ、ヴェロニカという女性が、次のようなコメントを寄せてくれた。
「私が一番好きな記念碑は、モスクワ南西部にあるクスコヴォの邸宅です。噴水、温室、キューピッドたち。これは、もう存在しないロシア、貴族文化の、生きている優美で愛らしい記念碑です」
クスコヴォを訪れた観光客は、ウィーンやパリの壮大な宮殿を予期してがっかりすることもあるというが、ロシアらしい森林と庭園の中に邸宅や温室が点在するクスコヴォの魅力は、西洋を模倣しながら快適な生活空間を作ろうとした様々な工夫が、今では微笑ましく感じられることだ。
ロシアに数ある貴族の邸宅博物館の中で、なぜクスコヴォが心地よいのか、いつか、その歴史と空間について調べてみたい。以前、20世紀のロシア文学における邸宅の表象について論文を書いた際に収集した邸宅研究の文献を、別の観点から読み直してみたいと思う。

Photo: Kuskovo.ru
