◆ウィリアム・ケントリッジ展
先日、東京国立近代美術館で「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……」展を見た。1955年に南アフリカ共和国で生まれ、「動くドローイング」とも呼ぶことのできるアニメーション・フィルムを制作してきたケントリッジの、国内初の個展となる。
力強くも幻想的なアニメーションによって、アパルトヘイトの歴史や南アフリカの社会状況を描きだしてきたケントリッジが、これほどまでにロシアの歴史と美術に関心を持ちつづけていたと知って、強烈な印象を受けた。数々の作品にちりばめられた詩人マヤコフスキーへのオマージュ、そして、ショスタコーヴィチのオペラ「鼻」を題材にした最新作「俺は俺ではない、あの馬も俺のではない」(2008)では、ハルムス、タトリンら、アヴァンギャルドの先鋭のイメージと共に、ソ連共産党大会の議事録がコラージュされ、20世紀ロシアの熱く暗いスペクタクルを作りだす。ロシア文化に関心を持つ人にとっても、必見の展覧会だ。
2月14日まで。その後、広島市現代美術館に巡回。




