2007年11月19日

◆プラハ・コミュニズム博物館

過去とどう向き合い,共産主義時代をどのように「記憶」するか。旧ソ連・東欧にある共産主義関連の博物館をいくつかまわった。

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ソ連崩壊直後,熱狂のうちに撤去されたスターリンやレーニン像は,モスクワの新トレチャコフ美術館(中央芸術家会館)脇の空地にしばらく放置されていた。だが,写真家イーゴリ・ムーヒンが,過去の象徴として写したそれらの苔むしたオブジェは,数年後には,新しい台座とプレートを与えられて,体制懐古的な彫刻公園に立ち並んでいた。

一方,同様に社会主義時代の彫刻を集めた,ブダペスト郊外の広大な彫刻公園は,「笑いながら過去と別れよう!」という観光客向けの派手な広告とは裏腹に,遠ざかっていく社会主義時代を展望する一つの歴史的な視座を提供している。

プラハ中心部にあるコミュニズム博物館も,「現代のコミュニズム博物館は,なんとマクドナルドとカジノのまん中にあります!」という広告こそ奇抜だが,展示と解説はきわめて真面目であり,夏のプラハというお祭り騒ぎの中心地で,少なからぬ参観者が長い解説を熟読していたのにも驚かされた。

教育,日常生活などのセクションを通じて社会主義をなかばノスタルジックに再現した前半部。プロパガンダ,社会主義リアリズム,恐怖政治ですら,ユーモアをまじえて描きだした後半部。この博物館は,ソ連の歴史を俯瞰したカバコフのインスタレーション《赤い車輌》にも似て,アイロニーとポップな感覚に貫かれている。

それだけに,どんな皮肉も冗談も持たない,民主化運動の展示室がいっそう際立つ。1969年1月19日,ソ連侵攻に抵抗してカレル大学の大学生ヤン・パラフが焼身自殺したヴァーツラフ広場は,この博物館のすぐそばにある。

写真:プラハ・コミュニズム博物館

2007年11月11日

◆MOE 12月号

絵本をめぐる雑誌『MOE(モエ)』12月号に,ユーリー・バスネツォフが挿絵を描いたロシア児童文学作品について,短いコラムを掲載。
このバスネツォフの小特集は,三鷹の森ジブリ美術館で開催中のバスネツォフの『3びきのくま』展にあわせたもの。展覧会では,ロシアの小屋や森などを再現し,ロシア民話の世界を三次元で楽しめる仕掛けになっているらしい。

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