2006年09月25日

◆毒ガエルの復讐

篠原有司男(1932年東京生まれ)は,1960年、赤瀬川原平、荒川修作らと前衛芸術集団「ネオ・ダダ・オルガナイザーズ」を結成し,絵具を含ませたボクシング・グローブをはめて壁を叩く「ボクシング・ペインティング」や「オートバイ彫刻」で美術界に衝撃を与えてきた。

「それはハングリー精神なんだけど、美術のなかに自分をどんどん引きずっていく、のめり込ませていくデーモン、悪魔を見ていないとできないね。 デーモンを見ないやつは合理主義的になるんだけど、合理的な生活を求めたら、アーティストは一日も生きられなくなる」

「だからさ、そこはね、やっぱり地獄が極楽だと思えるようにならないと一流になれないよ。思っているだけじゃなくて、ピカピカ見えてこないとダメだ(笑)。 すげえところまで来たな、という感じでさ」 (『美術手帖1995年10月号』)

と語ってから11年。74歳を迎えた今年,たてつづけに個展を開催し、著書を3冊同時刊行した篠原の情熱が,NADiffで開催中の個展「毒ガエルの復讐」で炸裂している。超スピードで描かれた大胆な素描と向き合って,ペンの動きを目で追えば,絵の中の裸婦や蛙もろとも極彩色の渦に巻きこまれていくだろう。生きていくには「早く、美しく、そしてリズミカルであれ」という篠原の理念が体感できる。10月15日まで。

2006年09月18日

◆滝/初秋

下田での合宿の帰り道に寄った河津七滝(かわづななだる)で,10数年前のこの季節にも滝を見たことを思いだした。

waterfall

就職活動を始める前に旅行しようと友達と花巻へ行った時のこと。
夕方,宮沢賢治ゆかりの「イギリス海岸」で川面を見ていると,コスモス畑のあいだの一本道を,土木会社のトラックが近づいてきた。中から,母と同じくらいの歳の女性が出てきて,私たちがどこへ泊まる予定なのか尋ね,「これから徒歩で移動するのは大変だから」と気遣って,ユースホステルまで送ってくださるという。「せっかくだから花巻温泉にも入っていくといい」と言って,遠回りをして日帰り温泉と釜淵の滝にも連れていってくださった。

寡黙な方だったが,運転しながらこんなことを話された。友達の代理で土木会社で3日だけ働くつもりが,そのままもう10数年も働いていて,その間に数学を勉強して,作業に必要な資格もとったこと。「勉強はとても大事」という言葉が,翌日になって宮沢賢治記念館でチェロやエスペラント語のノートを見ているあいだも頭を離れなくて,結局,就職活動をやめて大学院でロシア文学を専攻することになった。
賢治の「月夜のでんしんばしら」の水彩画を見ると,あの時トラックのヘッドライトが照らしていた真っ暗な道が目に浮かぶ。

2006年09月17日

◆海/斜線

南伊豆の海。フランシスコ・インファンテなら,この場所でどんなインスタレーションを作るだろう。

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2006年09月16日

◆下田の月

合宿で伊豆へ。満月の夜。

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2006年09月15日

◆Flickr

フリッカー始めました。下の写真からリンクします。

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2006年09月07日

◆夜の向日葵

先日,(ポップアート1960's→2000's リキテンスタイン,ウォーホルから最新の若手まで)展を見に,損保ジャパン東郷青児美術館に行って,常設コーナーでゴッホの《ひまわり》を見て気がついた。
今年は,本物のひまわりを一度も見なかった。どこにでも咲いている白粉花を見かけたのも,数回だけ。

rostov.jpg

花と縁遠い夏だったけれど,電車の窓から花火を見たことも思いだした。富山から東京へ向かう電車で,2つの花火大会の会場を通り抜けたこと。

はくたか号の隣りの席に疲れた顔で身をうずめて,一人で次々に缶ビールを空けていた女性も,暗い窓に顔を映しながらずっと花火を見ていた。

Photo: 2003年夏 ロストフの黄色い花

2006年09月01日

◆ナガミミヨザル2号

写真家でポーランド文学者でもある芝田文乃さんのホームページ「ナガミミヨザル2号」で,この夏のクラクフ滞在の写真と日記がアップされていると伺って,拝読した。

エッセイ「ポーランドはおいしい」のコーナーなど,面白くて今までに何度も読んでしまった(他のコーナーも面白いけれど,私は食い意地が張っているので)。第15回の「ホウレンソウ」では,ポーランドではホウレンソウは,普通は生ではなく,冷凍食品になったピューレとして売られていることが,味わいある写真と,ポーランド文学からの引用でつづられている。

ホウレンソウの運命は,ロシアでも同じ。
日本のホウレンソウが懐かしくなって,冷凍のホウレンソウを買って試した時の失望は,忘れられない・・・ (でも,プラハの食堂で食べたニンニクをきかせたホウレンソウのピューレは,どうやら同じ材料から作っているらしいのにとてもおいしかったので,私の料理の腕のせい?)

それでも,ロシアにはロシアのおいしい野菜があるし,そもそも,秋冬に生野菜が豊富に出回っているだけでも,ぜいたくはいえない。93年にロシアに行った時は,市場にじゃがいも,人参,玉ネギ以外の野菜が出回りはじめたことで,春の訪れを知ったのだから・・・