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2006年05月29日

◆アナテマ

ネオ・リアリズムの作家として出発し,のちに象徴主義的な作風に転じたレオニード・アンドレーエフ(1871-1919)の戯曲『アナテマ(悪魔)』を読んだ。

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貧しい露店を営む老いたユダヤ人ダヴィード・レイゼルのもとに悪魔が現れ,レイゼル一家を大富豪にしたのち,ふたたび一家を奈落の底に突き落とす。ダヴィードに精神的試練を与える悪魔との問答や,人民の救済にめざめるダヴィードの姿は,あきらかに聖書のイエス像をふまえている。

ロシア文学におけるユダヤ人像を調べるために読みはじめたが,読了したところで,カジミール・マレーヴィチがこのアンドレーエフの戯曲をテーマに一連の絵画を制作していることを知り,マレーヴィチの戯曲解釈に興味を持った。上にあげたのは,悪魔の奸計に陥ったダヴィードの最期を描いた一枚。アンドレーエフの特徴である「灰色の空間」の重苦しさが伝わってくる。


K. Malevich. Anatema. 1909.