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2004年11月02日

◆無名の高地で

パーヴェル・チュフライ監督『泥棒』(邦題『パパってなに?』1997年),ヴャチェスラフ・ニキーフォロフ監督『無名の高地で』(2004年)など現代ロシアの戦争映画を見つづけている。『無名の高地で』は今年5月,戦勝記念日にあわせて放映されたテレビドラマで,第二次世界大戦期のベラルーシ国境におけるソ連軍とドイツ軍の死闘を描いた作品。ストーリーの軸となるのは戦場における愛で,女性スナイパーと青年兵士,女性通信兵と通訳兵が恋愛して戦場で結婚式まで挙げる様子はさすがに非現実的だが,同じテーマを扱ったニコライ・レーベジェフ監督の『星』(2002年)の陳腐さに比べればずっと面白い。50分×4話で一気に話を展開させ,主人公に若手名優アレクセイ・チャードフ(『チェチェン・ウォー』2002年)を起用したところもいい。ところどころにロシアのテレビのコメディの手法をとりいれたり,戦場の情景を美しい名画のようなアングルで捉えるカメラワークからは,戦争や人生をあえてリアルにではなく作り物として撮るという姿勢が伺えるが,その一方で無理に現実感を出そうと奮闘している場面もあり,そのミスマッチがこの映画を一級品とは呼べない作品に仕立てている。現代ロシアの軍隊映画,戦争映画では,アレクサンドル・ミッタの『国境』が群を抜いている。