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2004年09月28日

◆約束の地

留学時代に大学のエレベーターの扉でうっかりはさんだのがきっかけで知りあった友人と1年ぶりに再会した。彼女はロシア系ユダヤ人で,出会った当初から日本の宗教問題や家族観についてつっこんだ質問をしてきて,ユダヤ人としてロシアで生きることはどんなことだと思うかを語り,ヘブライ語の辞書を片手にイスラエル移住の夢を語る人だった。ユダヤ問題や多民族国家としてのロシアについて話題をふってくるので,他の友人とはしにくい話もできた。そんな彼女が最近イスラエル留学の奨学金を断って,専門の心理学も捨て,モスクワで新たな道を探すという。永住に結びつく留学話だっただけに大きな決断だったというが,自分でもなぜ断ることにしたか分からないといい顔は蒼ざめていた。帰り際にヘブライ語のアルファベットがかかれた未使用の鉛筆をくれた。「小学生の時にもらってからずっとお守りがわりにかばんに入れていたが,なぜか急にあげたくなった」と言った。鉛筆を手にアルファベットをひとつひとつ説明してくれる声を聞きながら,3月にはもう少し元気な彼女に会えたらいいと思った。

ロシア語と日本語を流ちょうに話すブルガリア人の若い女性と知りあった。実際は彼女の陽気な人柄のせいもあると思うが,ロシアで「ブルガリア人だ」というと「兄弟よ,スラヴの民よ」と歓迎されるので驚いたという。自分が経験したことのないロシアの一面を聞いた。