◆ムラカミ
今週からロシアの大学は新学期。ロシア文学研究室を訪ねると,教員が集まって,今学期誰がどの授業で毎回何を講義するか綿密に打ち合わせしていた。「その作家について話す前に,パリやベルリンにおける亡命作家の状況について話したほうが良い」という具合。学生がロシア文学・文化全般について包括的な知識を得た上で,ゼミで特定の知識を深めることができるこの教育プログラムはいつもうらやましくなる。18,19,20世紀文学の教員が1人ずつ,隣接する文学理論研究室にはロシア詩や文学理論の教員が数人いて,他学科にはロシア美術,文化の教員もいるというこの恵まれた環境!
夜,村上春樹の翻訳者として知られるドミトリー・コワレーニンが出版した“村上本”のプレゼンテーションに出かける。ロシアでは数年前から村上春樹が大人気。最近の雑誌でも,どんな小さな書店でも必ず見つかる作家の一人として,ロシアの推理小説作家と並んで名前があがっていた。会場のブックカフェ《ピロギ》には50人以上が集まり,コワレーニンを延々質問攻めに。モスクワの現代詩人達も来ていた。

