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2004年08月07日

◆台所の会話

4ヶ月ぶりのネムチーノフカ村。モスクワから遠距離バスで40分のこの村に共同研究者のご夫妻が住んでいるので,モスクワにいる間は数日ごとに通うことになる。奥様は象徴主義文学の,ご主人は文学理論の専門家。2人とももう年金をもらえる年齢だけれど今も大学で教えつづけている。

この日はちょうどイスラエルからお客様が来ていた。研究の後で4人で台所でお茶を飲みながら,ソ連の歴史や文学について日が暮れるまで話をする。ロシアでは気の置けないお客さんと台所でお茶を飲みながら四方山話をするという伝統があって,60年代に欧米に亡命した作家たちも以前,「ロシアにあって,ここにはないもの。それはあの楽しかった「台所の会話」だよ」と懐かしんでいた。イスラエルに亡命したロシア系ユダヤ人たちも「台所の会話」を新しい土地で続けているのだろうか。そんなことも訊いてみればよかった,と思いながらバスでモスクワへ帰る。